子どもとギフテッド 読み物 09

親がもう教えられない――その好奇心を、どこにつなぐ?

子どもの質問に、親が答えられなくなったら。図書館や博物館、大学の講座を探す方法と、参加前に確認したい条件を紹介します。

知能をたずねて 編集部約5分

子どもの質問に、もう答えられない。図鑑を買っても、次々に疑問が出てくる。そんなとき、親が一から勉強して教え続ける必要はありません。

分かる人に聞く、本を探す、実際に見に行く。子どもが知りたいことに合う調べ方を、一緒に探してみましょう。家庭で始める方法と、学校外の学びを選ぶポイントを紹介します。

まず、何を知りたいのか聞いてみる

「宇宙が好き」と言っても、惑星の写真を見たい子、望遠鏡を使いたい子、軌道を計算したい子では、合う活動が違います。「次に何を知りたい?」「何をやってみたい?」と聞いてみてください。

うまく説明できなければ、よく開く本のページや、繰り返し見ている動画を教えてもらいます。「このページの何がおもしろいの?」と尋ねると、詳しい説明が聞けるかもしれません。

講座を探すのは、その後で大丈夫です。「近所の虫の名前を知りたい」なら、図鑑を借りて観察に行くだけでも調べられます。今の疑問に必要なことから始めましょう。

図書館では、知りたいことを具体的に伝える

本を探すときは、「難しい理科の本」だけでなく、調べたい内容を伝えてみてください。「この写真の虫を見分けたい。家にある図鑑では分からなかった」と話せば、探している本が伝わります。

すでに読んだ本の題名や、分からなかったページも役に立ちます。子ども向けの本で説明が足りなければ、一般向けの入門書や写真の多い専門書など、別の本を相談できます。所蔵や相談できる内容は、各図書館の案内で確認してください。

調べ始める前に、疑問を一行だけメモしておくと便利です。虫なら、写真に加えて見つけた場所や日付も残します。後で図鑑と比べたり、観察会で質問したりするときに使えます。

親が毎回付き合うのは大変です。「今日は質問をメモして、週末に調べよう」と、時間を決めても構いません。分からないことを、すぐその場で解決しようとしなくてもよいのです。

博物館や科学館の講座を探す

実物を見たい、実験したい、研究者の話を聞きたい。そんな子には、博物館や科学館の講座や観察会が候補になります。公式サイトの「学習」「イベント」「講座」などのページを見てみましょう。

たとえば、国立科学博物館には、研究者が展示や研究内容を解説する「ディスカバリートーク」があります。公式案内では、内容は小学校高学年以上に合わせているとされています。子どもの関心や理解に合うテーマを選んでください。[1]

訪問前には、開催日、対象、参加方法を確認します。見たい展示も一つか二つ選んでおくと、現地でゆっくり見られます。すべての展示を回ろうとせず、本人が気に入った場所で時間を使ってよいでしょう。

質問できる機会があるなら、「何を調べて、どこが分からなかったか」を短くまとめておきます。時間に限りがある場合は、聞きたいことを一つに絞ると、本人も質問しやすくなります。

大学の継続講座は、対象学年と活動内容を確認する

理数系の内容を継続して学ぶ機会として、科学技術振興機構の「ステラプログラム」があります。小学校高学年から高校生を対象とする事業で、大学などがさまざまな育成プログラムを実施しています。[2]

探すときは、公式の「実施機関一覧」と「受講生募集情報」を見てください。地域や分野から候補を選び、各機関の募集要項に進みます。[3][4]

対象学年、選考、通える地域、費用、オンライン参加の可否は、プログラムごとに違います。「ギフテッドなら参加できる」と一律に決まっているわけではないので、本人の学年と募集条件を照らし合わせてください。

公式情報を探すリンク(2026年10月20日確認)
公式ページ分かること確認する項目
国立科学博物館のディスカバリートーク研究者による解説活動テーマ、日程、参加方法
ステラプログラムの実施機関一覧実施する大学等と企画分野、地域、対象学年
ステラプログラムの受講生募集情報各企画の募集案内年度、締切、選考、費用

募集一覧には、受付が終わった企画も掲載されています。申し込みの際は、各機関の最新の案内を確認してください。大学などの実施機関を募る「公募情報」は、子ども向けの受講生募集とは別です。

候補は、学べる内容と家庭の負担で比べる

講座名だけでは、何をするかは分かりません。講義を聞くのか、決められた実験をするのか、自分で研究するのか。子どもがやりたいことと、実際の活動が合っているかを見ます。

二つほど候補が見つかったら、活動内容、開催回数、移動時間、費用を書き並べてみてください。費用は参加費だけでなく、交通費や機材代も含めます。宿題や送迎に親がどのくらい関わる必要があるかも確認しましょう。

子どもにも、活動の写真や紹介動画を見てもらいます。「おもしろそう」「これは少し違う」といった反応を聞いてから決めてください。有名な大学の講座でも、本人の関心に合わなければ続けにくくなります。

迷ったら、体験や単発の講座から試す方法もあります。最初から長期間の予定を埋めず、参加してから次を考えればよいでしょう。

参加後は、またやりたいことを聞く

帰宅後は、「楽しかった?」に加えて、「何が一番おもしろかった?」「もう一度やりたいことはある?」と聞いてみましょう。難しい内容でも、続きを知りたいと思っていれば、次の活動を探す参考になります。

反対に、内容は好きでも、移動や集団での活動に疲れてしまう場合もあります。やめたいと言ったら、学習内容、時間、参加方法のどこが負担だったかを聞きます。理由によっては、別の形式なら楽しめるかもしれません。

毎回、感想文や成果物を作らせる必要はありません。話したいなら聞き、家でも続けたいなら道具を用意する。参加後まで課題で埋めず、本人が楽しめる時間も残しましょう。

学校に作品や研究を紹介したい場合は、先生に相談できます。外部活動の出欠や学校での扱いについて相談が必要なら、参加前に確認しておいてください。

親が答えられなくても、一緒に調べられる

親が知識で先回りできなくなっても、本や講座を探す手伝いはできます。「お母さんも分からないから、調べてみよう」「この人なら知っていそうだね」と、一緒に探してみてください。

子どもが自分で探せるようになったら、任せる範囲も増やせます。図書館で本を選ぶ、講座の案内を読む、聞きたい質問を考える。親は必要なところで手を貸せばよいのです。

まずは今、本人が一番知りたがっていることを一つ聞いてみる。その疑問に合う本や、一回だけ参加できる活動を探すところから始めましょう。

出典・確認資料

  1. 国立科学博物館「研究者によるディスカバリートーク」 ↗

    活動の内容と、対象の目安。

  2. JST「次世代科学技術チャレンジプログラム」事業概要 ↗

    事業の目的と対象となる学校段階。

  3. JST STELLAプログラム「実施機関一覧」 ↗

    実施する大学等と企画の一覧。

  4. JST STELLAプログラム「受講生募集情報」 ↗

    子ども向けの募集案内。受付状況は各機関で確認。

2026年10月20日更新。会話・相談メモは編集部が作成した例です。